旭日旗は電子世界に揚がる   (ネーミングセンスがないのは自覚してます


【本編第二話】


「なあ、言わな駄目なのか?」
 毎度の如く【八島】レーダー担当のネコの台詞から始まるこの小説。細かい事は気にしない方向性で
「・・・・・・・・」
 無言でG3A3を構えているなぎさ。これも毎度の如くか・・・・・・。
「あ〜・・・言うよ、言えばいいんだろ。敵第八波接近、爆撃機・・・つーか陸攻だな・・・50機、戦闘機、20機だ」
 一応この部分だけは僚艦に伝えられている。
『また〜? もう戦闘機は嫌ー!!』
 リュージュの泣き言が聞こえる。実際、叩いても叩いても一向に減らない敵を相手にするのは気が滅入る。
「防空艦艇を使うN.Gは居ないんですか!?」
 機関出力最大のまま、思いっきり舵を切る回避運動をしつつ訪ねるなぎさ。
【八島】が同じく回避運動をしている【フォウル・スレイヤー】のすぐ脇を霞める。距離3m…航空機なら立派なニアミス事故である。
 【フォウル・スレイヤー】に接近同航戦を挑んでいた【ファージ・スレイヤー】をも巻き込みかねないが、向こうは一旦離れたようだ。
『危ないだろうが!!』
 ヴィーが怒鳴っているが・・・まあ当然だろう。
『防空?それなら確か・・・・・・』
 そんなヴィーを無視してエレが喋り始めるが誰かが遮る。
「対水上電探感あり!所属不明巡洋艦接近!」
 誰の台詞かは言わずとも・・・・・・。毎度この役を任される人です
【フォウル・スレイヤー】のすぐ前の空間が歪み、一隻の軽巡が出現する。
『個艦識別・・・【蚊取】!識別IDはトリス様です』
 クロが識別を確認した。
そしてその【蚊取】から通信が入る。
『ごめんねー遅くなっちゃってー。』
『いやー、航空機が多いって聞いたんで本部に【蚊取】を取りに行ったら思いのほか時間が掛かってねー。』
 トリス達の遅刻の言い訳。まあ出てくるのが遅くなったのは全部筆者が悪いのですが。
『上、お願いしますよ。』
『防空巡の本領発揮だーね』
 その会話が合図だったかのように【蚊取】の兵装が火を吹く。
25.4cm砲・・・・・・
57mmバルカン砲・・・・・・
対空ミサイル発射機・・・・・・
40o機銃・・・・・・
 防空巡の名に恥じない兵装が一斉に大量の砲弾を吐き出す。
対空迎撃に関して【蚊取】を超える艦はここには居ない。
 UNKNWONの増援である爆撃機、攻撃機が瞬く間に落ちる。
未だ残る敵機からの空対艦ミサイルも同じ運命を辿った。
『いっちょ上がりー』
『でもまだ残ってるよ〜』





 飛び出していた【ファージ・スレイヤー】が戻り、輪陣形を立て直すUNKNWON艦隊
「護衛駆逐艦と【アイギス・スレイヤー】に防御を任せた方がいいぞ。」
 と言ったのはゲイム。彼の視線の先にはダメージ警報が多数燈っている。
「【ファージ・スレイヤー】のプライドが高いにも程が有るわね・・・・・」
「味方の機体が半分に減っちゃいましたぁ〜」
 それなりに此方も大変なようで





 一方此方は【フォウル・スレイヤー】
「なんつーフネだ!ダメージを無視して突っ込んできやがって」
 悪態をつくヴィー。
「目の前で荷電粒子砲を撃たれるの怖いー」
 エレは頭を抱えて涙目になっている。トラウマに成らなければいいのだが
『何なんですかあの駆逐艦は!SSMを全て堕とすなんて』
『半分は秋月型に見えるんだが気の責か?』
 相手に対し有効な攻撃を掛けれて居ない【八島】からの通信。
ミサイルは迎撃されるは砲撃は利かないは・・・・・・結構苦労してます。
『何時まで敵機の相手をすればいいの!』
 強靭な装甲と充分な対空兵装を備える【P4砂漠空母】も苦戦気味であり艦載機の数も激減している。
「私に指揮なんか出来るわけ無いよ〜」
 ヒステリックに成り掛けたエレが居た。
「まあまあ。落ち着けって、援軍も来たし、な?」
 ヴィーが慰めているのが非情に似合わない気がするのは筆者だけだろうか・・・

『けっけっけ。何時も偉そうにしてるくせに他人の手を借りないと移動も出来ないってのは・・・笑っちゃうよな』
『がーー!!うっさいうっさいうっさい!!!私のフネはこれでも速い方なんだよ!!!!』
『お姉ちゃん、それ位にしといてね』
 矢鱈と五月蠅い会話が通信機越しに聞こえてくる。最後の一言だけは一気に気温の下がる気がしたが。
 暫くして紫色の双胴巡洋艦が出現した。後ろにその3倍近い全長を持つ重巡を牽引ビームで引いている。
「スカーレット!シアン!それに霧香!」
 半ヒステリー状態から抜けたエレの台詞
『人を序のように言うな!・・・・・・遅れて申し訳御座いません。N.G.N霧香、これより戦列に加わりますわ』
 まあ、何と言うか参考資料が少ないN.G.の一人ですので細かいことは気にしてはいけません。
『【紅咆蒼哮】、いっくぜーーーーーーーーー!!』
 そんなこんなで【高雄】と【オルトロス】、二隻の巡洋艦が加わったN.G.艦隊。
霧香が加わった事により多少統率が取れたように見える。
『【オルトロス】は速度を生かして敵駆逐艦の防御陣を崩してください。』
『おうよ!!』
 今まで明確な指揮官無しで守っていた方が奇跡な気もするが。
『【フォウル・スレイヤー】は一旦下がって援護射撃しつつ復旧を急いでください。
その間は【八島】と【P4砂漠空母】で戦線の維持を願います。【蚊取】はそのまま、敵に制空権を与えないように。』
『解ったわ。出切るだけ早く戻ってくるね』
『諒解しました。主砲弾種変更無し、射撃続行します!』
『よーし、行くぞーー!!』
 それぞれ動き出す艦。
【オルトロス】は127mm単装速射砲や88mm連装パルスビームバルカンを乱射しつつUNKNWONの護衛駆逐艦に接近、
距離が充分に詰まったところでフォトン粒子砲を発射と言う戦法を取っている。
 【フォウル・スレイヤー】は後ろで応急修理を始め、【蚊取】の攻撃も一層激しくなる。





「駆逐艦が3隻やられた!!【アイギス・スレイヤー】をもっと前に出せ!」
「【ファージ・スレイヤー】をこれ以上押さえるのは無理ですぅ〜」
 少々押され気味のUNKNWON艦隊。【ファージ・スレイヤー】も応急処置中のようである。
「駆逐艦は犠牲を覚悟で突撃!残りの魚雷を近距離で打ち込めば少しは敵の数を減らせるはず!」
 エスラの命令にゲイムが戸惑う。
「おい!ここで駆逐艦がやられたらこっちが丸裸になるんだぞ!」
 そう言われてもエスラは訂正をしなかった。
20隻の駆逐艦が最大戦速で突っ込んでいく。